金の史上最高値更新に関して

金の史上最高値更新が示すものとは?

ゴールドイメージ

 

「中央銀行にとって金価格は通信簿みたいなもの」

 

 

金の国際会議のスピーチで日銀高官がふと漏らした言葉である。。通貨の番人"と言われる中央銀行が節度ある金融政策を運営していれば、通貨の価値は安定し、代替通貨といわれる金が買われるようなことはないはずT金価格が下がる)、という意味である。つまり、最近金価格が次々と史上最高値を更新しているので、通信簿の評価は下がっているわけだ。

 

マーケットは、なぜ中央銀行の金融政策にそれほど不安感を抱いているのか。その理由を端的に示すのが、連邦準備理事会(FRB)のマネタリーベースの長期トレントである。マネタリーベースはFRBが供給する通貨(紙幣、硬貨および民間銀行の日銀当座預金の合計)のことで、銀行貸出の原資となる。

 

FRBが異常なベースで市中におカネを供給していることがはっきりと見て取れる。この有事対応ともいえるFRBのマネーじゃぶじゃぶ作戦は、ドクター・バーナンキが瀕死の患者(=サブプライム禍の米国経済)を救うためにとった緊急措置であった。

 

激増したドルの供給をステロイド投人に例えれば、この劇薬はよく効く。とりあえずカネ回りは良くなる。しかし投与を続けると徐々にカラダがむしばまれる。100ドル札の購買力が希薄化してゆくのだ。最も難しいのは、投与の止め方である。徐々に減らしてゆかないと、カラダがショック症状を起こしてしまう。

 

問題はいつステロイドを減らし始めるか、そのタイミングである。早すぎれば折角回復に向かった患者の容体が再び悪化してしまう。利上げが早すぎれば米国不動産価格に冷や水を浴びせ、株価が二番底を見る可能性も出てくる。

激増したドルの供給でドルの価値が希薄化

逆にステロイド離れのタイミングが後手に回ると、依存症という厄介な症状が顕在化する。過剰流動性(リスクマネー)がハイになり、バブルが再燃するというシナリオさえ考えられるのだ。オーストラリア、ノルウェーなど資源高の余裕でいち早く利上げできた国もあるが、日米欧はそう簡単に利上げには踏み切れない国々である。

 

最も好ましい展開は、適度にステロイドを減らし、経済の体調を徐々に平常化させてゆくこと。ここがドクター・バーナンキの腕の見せ所だ。もし首尾良く"出口戦略"を成功させれば、米国経済のゴールディロックス(適温経済)が実現する。熱過ぎず冷た過ぎず、インフレでもないデフレでもない黄金期を迎え、めでたしめでたしとなる。

 

もしバーナンキ、オバマ、ガイトナーの秀才トリオを信じられれば、株も米国債もドルも安心して買える。ヘッジ資産の必要性は薄れる。しかし信じられなければ、ユーロや資源国通貨、そして商品(コモディティー)などをリスク分散として保有することも選択肢となる。

 

足元のマーケットを見るに、金融制度のシステミックリスクは後退したものの、当局が金融政策運営のタイミングを誤るというリスクが無視できない。激増したドルの供給はドル余剰となり、ドル価値の希薄化を招き、ドル安を加速させるという合併症も併発した。そのドルに対する不信任投票が、金を買うという投資行動でもある。

 

このドル不安の根底には、米国の過小貯蓄、中国の過剰貯蓄という、いわゆる国際経済不均衡という根深い構造的問題がある。

 

金もいいが外貨に投資をする手段もある。たとえば金の原産国として有名な南アフリカ。その通貨ランドを買う、FXでその通貨を買うという手段もある。FX初心者にとってFXは証拠金取引なので難しく感じるかもしれないが様々なFXサイトを参考にして初めてみるのもいいであろう。